このたびは、特定非営利活動法人ネイヴルのWebサイトにお越しいただきありがとうございます。
口語的なやわらかい口調のブログやSNS全盛期のいまの時代に、あえて小難しいことをアップロードしていくのは勇気がいることでした。ネット故の衆人環視というものにとても配慮しています。” ケースセンシティブ ”とでもいうのでしょうか、「特定非営利活動法人」という法人の性質上、” 公益の増進 ”がその目的であり、株式会社などとここが大きく違う点です。民間企業であれば使える表現であっても、多くのケースでいったん躊躇します。例えば、現在当法人が進めているイチョウ・銀杏をコアとする「プロジェクト・ギンコ」という事業がありますが、他産地が台頭してきていることは書けても、それを対立的にもっていくことはおそらくしてはいけませんし、していません。
「公益」と申し上げましたが、この言葉にはとても平面的な奥行きがあり、また、底の深さが有ります。特定非営利活動法人(以後、NPO法人と記します)はすべて県単位の認証を経て設立されます。それぞれの目指すことが申請内容に合致している必要があり、また、それまでの経歴などももちろん考慮されます。ここにひとつ分岐点があり、” 好きなことをやりたいだけならば、任意団体(ただのNPO)や一般社団法人でいいんじゃないですか ”ということは確認されます。法人化の明確な理由はとても重要です。しかし、そのハードルを超え法人格を得たとしても、実務的にも事務処理的にも軽減される要素はなく、それどころか負担増となることがほとんどです。そのためか、認証取り消しとなるNPO法人の数は年々増加傾向にあるようです。明確な目的をもってなんらかの公益の増進をうながす事業を推進していく義務がある故に、個人的な見解ですが、いわゆる対立的な表現や、むやみな争いに繋がる記述は極力避ける必要があります。
ここからすこしだけやわらかくなります。
ネイヴルは、争いが嫌いです。
なぜなら、理事長であるわたくし高村が、競争にはもううんざりしているからです。
わたくしではカタいので、” ボク ”にします。
ボクは、よくいわれる団塊Jrです。生まれた瞬間からもう競争が始まっていました。小学校からテストの成績ランキングが貼りだされ、中学校では通知表(通信簿・内申点)の点数の奪い合いです。貧富の差もまだはっきりとあり、TVゲームやホビー、トイがどんどん目新しいものが世に送り出される時代にあって、持たざるものはだまって持つものを見つめているだけの時代でした。ファミコンとかウォークマンとか、わかるかたにはピンとくるでしょう。
NPO法人に魅力を感じたのはきっとそれが理由です。細かく言えばNPO界隈にも争いはあるんですが、いわゆる競争で勝たなければ淘汰されるというところまでひどくはないと思います。ポジティブな目的、それを自分がただしいと思うやりかたでただただ実行するだけですから。だから、どちらのNPOさんも人材難と資金繰りで煮詰まっています。あたりまえですね。それと、60台、70台の年配のかたが多い。ボクの街、稲沢市ではまちがいなくそうです。さらに、NPO法人の運営側の一員として現役世代でついてこれるような事業は、手前味噌ですが、ネイヴル以外では見たことないです。それほどガチンコの世界です。好きなことやってるんだからしょうがない。ある意味、趣味の世界とおんなじです。釣りバカ日誌のはまちゃんのボランティア版とでもいうのかな。
けれど、大きい声でいいたいのは、NPO法人はボランティア団体じゃありません。さらに、ボランティアは無償奉仕と同じ意味で使われてますが、ネイヴルはこれを真っ向から否定します。本当は「志願者」を意味するもので、対価があるとかないはまったく別の話です。もともとこれに苦しんだ(いまも苦しんでいる?)ボクが言うんですから間違いないです。
NPOの世界は、やりがいだけは死ぬほどあります。ワークショップも講演会も座談会もインタビューも思いのままです。人と出会い、ともに集まり、しゃべってもいいし、だまっていてもいい。” 自分らしさ ”は勇気がいることです。出したら壊れそうなもろさもあります。声がでかいやつが勝つ風潮はやっぱりあります。
「ボクたちの時代のマンガやアニメは勧善懲悪ものがほとんどだったよな」、と最近よく思うことがあります。” ヒーロー ”という響きがみんな大好きでした。だから勝たなければなりません。争いではない、ピュアな生存本能や闘争本能を刺激してやまないのがNPO法人の魅力なのかもしれません。
書かないとうまくならないと思って、とりあえず世に出すことに専念しています。
読み返してはちょいちょい手直ししているので、またよろしければのぞいてください。
特定非営利活動法人ネイヴル
理事長 髙村 宗克
2016.02.19 改訂
2016.02.18 初稿